構文
=ACCRINTM(issue, settlement, rate, par, [basis])
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issue: 債券の発行日。
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settlement: 債券の済日。
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rate: 年利率。
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par: 債券の額面値。
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basis: 計算に使用する基準日数(省略可能)。
機能
ACCRINTM関数は、満期日に利息が支払われる債券の未収利息額を計算します。発行日から済日までの期間に基づいて、削出された利息の総額を返します。
ACCRINT関数との違い
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ACCRINT関数: 複数の利息支払い日が存在する債券の計算に使用されます。削出ベースで利息計算を行います。
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ACCRINTM関数: 唯一の利息支払い日が存在する債券に使用されます。発行日から済日までの利息を計算します。
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基準日数の設定: ACCRINTM関数では、計算基準日数(basis)を指定できます。これにより、計算方法を柔軟に調整できます。
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ゆえに、「複数の利息支払いの有無」や「計算基準日数の要件」が関数選択の判断基準となります。
用途
この関数は、特に金融編成に関係するプロセスや、債券の利息計算を行うシーンで有用です。例えば、金融営策に関係する資料を手元に備える場合や、債券の利息の稼働を表示するために使用されます。
具体的な利用シーンと方法
利用シーン1: 債券管理
企業が複数の債券を保有している場合、それぞれの未収利息額を定期的に確認する必要があります。ACCRINTM関数を用いることで、簡単に発行日から満期日までの利息を計算し、帳簿の正確性を保つことができます。
方法
債券の発行日が「2024年1月1日」、満期日が「2024年12月31日」、年利が5%、額面が10,000円の場合:
=ACCRINTM(DATE(2024,1,1), DATE(2024,12,31), 0.05, 10000, 3)
これにより、計算結果として未収利息額を取得できます。
利用シーン2: 個人投資の収益分析
個人投資家が保有する債券の収益率を評価する際に、ACCRINTM関数を用いて実際の利息収益を算出し、ポートフォリオ全体の収益性を確認することができます。
方法
投資対象の債券が「発行日: 2023年6月1日」「満期日: 2024年5月31日」「年利: 4%」「額面: 50,000円」の場合:
=ACCRINTM(DATE(2023,6,1), DATE(2024,5,31), 0.04, 50000, 1)
これにより、保有期間中の収益を見積もることができます。
利用シーン3: 財務報告の精度向上
企業の財務部門が会計報告書を作成する際、ACCRINTM関数を使用することで未収利息額を正確に計算し、貸借対照表の精度を向上させることができます。
方法
複数の債券データを表形式で整理し、関数を用いて未収利息を計算する列を作成します。たとえば:
発行日 | 済日 | 年利率 | 額面値 | 基準 | 未収利息額 |
---|---|---|---|---|---|
2023/01/01 | 2023/12/31 | 3% | 100000 | 0 | =ACCRINTM(A2,B2,C2,D2,E2) |
サンプル
たとえ、債券の発行日が2024年1月1日、済日が2024年12月31日、利率が5%、額面値が10,000円、基準が実際の日数/365日の場合、構文は次のようになります:
=ACCRINTM(DATE(2024,1,1), DATE(2024,12,31), 0.05, 10000, 3)
これにより、2024年1月1日から12月31日までの利息総額が計算されます。
基準 (basis) の詳細
基準 | 説明 |
0 | 30日/360日 (NASD方式) |
1 | 実際の日数/実際の日数 |
2 | 実際の日数/360日 |
3 | 実際の日数/365日 |
4 | 30日/360日 (ヨーロッパ方式) |
基準に適した方法を選ぶことで、より正確な計算が可能です。
使用上の注意
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発行日、済日には有効な日付を指定する必要があります。無効な日付を指定すると、エラー値
#VALUE!
が返されます。 -
利率や額面値が0以下の場合、エラー値
#NUM!
が返されます。 -
発行日が済日以降の場合もエラー値
#NUM!
が返されます。
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