導入:AIには「現場の忙しさ」が分からない
皆様の事務負担を少しでも減らそうと、先日、巷で話題の最新AI(Gemini)に「誰でも使える最強の請求書ツールを作ってくれ」と依頼しました。
するとAIは張り切って、ものすごい提案を持ってきたのです。
「最新のマクロを駆使して、登録番号を入力するだけで自動的にモードが切り替わる、高機能なシステムにしましょう!」と。
私はその提案を見て、即座に却下しました。
「現場の社長が、請求書一枚出すのにそんな面倒な設定をする暇があると思うか?」
パソコンの前で頭を悩ませる時間があるなら、現場に出たいし、早く帰って休みたい。それが本音ですよね。
多機能すぎて使い方が分からないツールなんて、現場では「ゴミ」と同じです。
私はAIに修正を命じました。
「余計な機能はいらない。インボイス用とそうでない用、単純にファイルを2つに分けなさい」と。
ITのプロであるAIには「単純すぎる」と映ったようですが、これが現場の正解です。
そうして出来上がったのが、今回配布する「究極にシンプルな請求書」です。
完成した「現場専用・請求書メーカー」の紹介
現場の声を代弁して作らせた、究極にシンプルな2つのExcelファイルを配布します。
用途に合わせて選んでください。
【A】インボイス対応版
適格請求書発行事業者(登録番号を持っている方)向けです。
「登録番号(Tから始まる13桁)」の入力欄があり、消費税計算もインボイス制度に完全対応しています。
【B】免税事業者版
免税事業者(登録番号を持っていない方)向けです。
登録番号の入力欄をあえて削除しました。これにより、「間違えて番号を書いてしまった」というリスクをゼロにします。
このツールのメリット
- 「マクロ不使用」です: 会社のセキュリティや、少し古いPCでも安心して動きます。変な警告が出ることもありません。
- 「白いマス」を埋めるだけ: 説明書を読む必要はありません。見たまま入力して、印刷ボタンを押すだけです。
中身の技術解説(安心して使っていただくために)
「単純なのはいいけど、計算間違ってない?」と不安になる方もいるかもしれません。
ご安心ください。見た目はシンプルですが、裏側の計算はプロ仕様です。
皆様が気にする必要はありませんが、私が責任を持ってAIに厳しく設定させたポイントを紹介します。
安心の自動計算機能
- SUMIF関数: 「10%」「8%」「非課税」の税区分を自動で仕分けして集計します。電卓を叩いて「えーと、これが8%で…」とやる手間を完全に省きました。
- ROUNDDOWN関数: 消費税の計算で一番トラブルになる「端数処理」。法的に正しい「最後にまとめて計算して切り捨てる」処理を組み込みました。これでインボイス制度の細かい計算ルールもクリア済みです。
- IF関数: データを入力していない行は、印刷時に「0」や「#VALUE!」などのエラーが出ないよう、自動的に「空欄」になるよう配慮しました。汚い請求書にはなりません。
まとめ:ITは「道具」に過ぎない
最新のAIでも、現場の「あうんの呼吸」や「シンプルさの重要性」はまだ理解できていないようでした。
そこを判断して、「使いやすい道具」に落とし込むのは、やはり人間の知恵です。
面倒な計算や法対応は、このファイル(道具)に任せてください。
皆様が良い仕事をして、定時に帰れるよう、裏方として応援しております。


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