「メリ爺のAI内製開発万歳」へようこそ。メリ爺です。
「社長、例の集計ファイル、新しい項目を追加して自動計算できるようにしておきました!」
現場の担当者からそんな頼もしい報告を聞き、ホッと胸をなでおろす……。零細企業や個人事業の現場ではよくある、微笑ましい光景ですよね。
しかし、私はその報告を聞くたびに、少しだけ背筋が寒くなるのを禁じ得ません。なぜなら、それは多くの組織が陥る「終わりの始まり」、つまり、二度と修復不可能な「デジタル・スラム」への第一歩かもしれないからです。
今回は、なぜ良かれと思って作り込んだExcelが「爆弾」に変わってしまうのか。そして、最新のAIを使ってその重力から解放される方法について、本音でお話しします。
1. Excelでシステムを組むと必ず起きる「魔改造」の連鎖

最初は、たった1枚のシンプルな集計表だったはずです。使い勝手が良く、みんなに喜ばれる便利なツール。しかし、ビジネスが止まらないのと同様に、Excelへの要求も止まることはありません。
- 「便利だから、こっちのデータも自動で引っ張れるようにしよう」と数式が巨大化する。
- 取引先の都合や法改正(インボイス制度など)に合わせて、計算ロジックを無理やり書き換える。
- 「あの人しか中身がわからない」秘伝のタレのようなマクロが追加される。
- 気づけば、似たような「コピー(2)最新版」というファイルがデスクトップに溢れ出す。
システムは「作ったら終わり」ではありません。変化し続けるビジネスのスピードに合わせ、システムも柔軟に姿を変え続けなければならないのです。
こうした「場当たり的な改良」を繰り返した結果、Excelの中身は数式とマクロが複雑に絡み合ったスパゲッティ状態に。作成した本人ですら、どこかを触ればどこかが壊れる恐怖で、身動きが取れなくなっていくのです。
2. 絶望の「デジタル・スラム化」:連携不能なガラパゴス群島

さらに深刻な事態は、組織の中に複数の「便利ツール(Excel)」が乱立したときに起こります。これが、私が提唱する「デジタル・スラム化」の決定打です。
「営業部のExcel」と「経理部のExcel」が、それぞれ独自の進化を遂げた結果、互いに言葉が通じない別々の国のようになってしまう。データの形式も、項目の定義もバラバラ。いざ全社的な数字を出そうとしたとき、結局は人間が「コピー&ペースト」を繰り返すという、IT化とは程遠い泥臭い作業に逆戻りしてしまいます。
実はこれ、システム開発のプロであるIT企業でも頭を悩ませる難問です。それほどまでに、「とりあえず目の前の作業をExcelで」という発想には、将来の成長を阻害する恐ろしい罠が潜んでいるのです。
3. 【メリ爺のうんちく】「後で直せばいい」が会社を潰す理由
ここで少し、システム開発の世界で古くから言われている「1:10:100の法則」というお話をしましょう。
これは、システムのミス(歪み)を修正するためにかかるコストが、工程が進むごとに跳ね上がっていくことを示した法則です。
- 設計段階でミスに気づけば、修正コストは「1」で済みます。紙に書いた図を書き直すだけですから。
- しかし、それを開発(プログラミング)中に直そうとすると「10」のコストがかかります。
- さらに、システムが完成して運用が始まった後に直そうとすると、なんと「100」ものコスト(手間や時間、リスク)が必要になるのです。
「とりあえずExcelで作って、不具合が出たらその都度直せばいい」という考え方は、実は最も高くつく、恐ろしい経営判断なのです。現場が「魔改造」を繰り返すほど、あなたの会社は知らず知らずのうちに、この「100倍のコスト」を支払い続けているのかもしれません。
4. 「良かれと思って」がなぜ悲劇を生むのか?
なぜ、真面目に改善に取り組んでいる現場ほど、このスラム化に苦しむのでしょうか?私が長年、現場の歪みを観察して見つけた原因は、「できる所から手を付ける」という、一見正しく見える姿勢にありました。
「今の入力作業がとにかく苦痛だ。今すぐなんとかしてくれ!」
こうした切実な叫びに突き動かされ、次のような「急場しのぎ」が横行します。
- 担当者のスキルに丸投げ:VBAができる人がいればプログラムを、いなければ無理やり複雑な関数を駆使する。そこには「共通の設計思想」が存在しません。
- 「点」の解決に終始する:直近の問題だけを解決しようとするため、全体への影響が見えなくなり、絶妙なバランスで均衡を保つ「奇跡の(そして触ると崩れる)システム」が誕生します。
この小さな歪みの積み重ねこそが、将来、誰も手出しができない暗黒のデジタル・スラムを作り出すのです。
5. プログラミングの「重力」から解放してくれるAIの力
これまでは、このスラム化を解決するには、数百万、数千万の予算を投じて外注するか、あるいは自ら徹夜でプログラミングを習得して「正しいシステム」を組み直すしかありませんでした。どちらも、忙しい経営者や実務担当者には高すぎるハードルです。
しかし、現在はAIという最強の助っ人がいます。
AIは、私たちが日常的に使っている日本語の「意図」を汲み取り、正確なコードを一瞬で書き上げてくれます。もはや、あなたが「閉じカッコが足りない」というエラーに頭を抱えたり、古い参考書を片手にVBAの構文を暗記したりする必要はありません。プログラミングという苦行から、ついに私たちは解放されたのです。
6. 必要なのは技術じゃない。「設計図」という名の意思

「そうは言っても、自分にはシステムを作るなんて無理だ」と思われるかもしれません。でも、安心してください。実際の「工事(コーディング)」はAIがすべてやってくれます。
あなたに求められる役割は、技術者ではなく、「設計者(アーキテクト)」になることです。
設計書、なんていうと難しく聞こえますが、要は「どんな料理を作りたいか」を整理したレシピのようなものです。何を材料にして、どんな手順で、どんな結果を出したいのか。それを紙に書き出すだけです。
この「設計図」さえあれば、未経験の経営者であっても、デジタル・スラムを回避し、一生会社を支え続ける「死なないシステム」を内製することができるのです。
まとめ:Excelの重荷を、AIに降ろすとき。
Excelは、個人のメモや計算機としては最強の道具です。しかし、それを無理やり「会社の基幹システム」に仕立て上げるのは、もうやめにしませんか?
その重たい荷物をAIに預け、あなたは「ビジネスをどう成長させるか」という本来の仕事に集中してください。
具体的にどうやって「設計書」を書き、AIに正しい指示を出して、安全な開発をスタートさせるべきか。未経験のあなたが迷わないための最短ロードマップを、次の記事にまとめました。
▼デジタル・スラムを脱出する第一歩はこちら
「開発の重力」から解放され、自由なビジネスの形を手に入れる。その準備ができた方は、ぜひ続きを読んでみてください。


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