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【AI開発初歩の初歩】いきなりAIで開発をする前に従来の開発の進め方を知っておこう

④AI参謀の活用

今、AIを使った開発界隈では「バイブコーディング(Vibe Coding)」なんて言葉が流行っていますよね。「ノリとバイブスでAIにコード書かせれば動くぜ!」みたいな、キラキラしたトレンドです。

ですが、はっきり言います。これまでシステム開発をしたことのない人が、いきなりこの「バイブコーディング」に手を出すと、間違いなく火傷します。

「AIがやってくれるから大丈夫でしょ?」

そんな風に思っているなら、この記事を最後まで読んでください。これは脅しではなく、あなたがこれから作るシステム(資産)を守るための、非常に重要な話です。

開発というのは、家を建てるのと同じ。「設計図」という未来地図が必要です。この地図を持たずに開発を進めるのは、コンパスも地図も持たずに砂漠を歩くようなもの。

「夜空に輝く星があるから大丈夫」なんて言うのは、星を読む知識(専門技術)がある人だけのセリフです。開発の経験も知識もない人が、星を見て方角がわかりますか?わかりませんよね。

従来の開発手法がどのような手順で進み、そこで「設計図」がどう扱われてきたかを知りましょう。それを知った上でAIを使うのと、知らずに使うのとでは、完成するシステムの「強度」がまるで違います。

vibe_vs_blueprint_overview

開発の歴史を知る:代表的な5つの開発手法

システム開発には、先人たちが失敗を重ねて編み出した「型」があります。ここでは代表的な5つの手法を紹介します。どれも「どうやって設計し、どうやって完成させるか」のアプローチが異なります。

1. ウォーターフォールモデル(Waterfall)

最も古典的で、最も有名な手法です。滝の水が上から下へ落ちるように、工程を順番に終わらせていきます。

waterfall_process_diagram

  • 工程:要件定義 → 設計 → 実装 → テスト → 運用
  • 特徴:前の工程に戻ることを良しとしません。「設計書」を完璧に作ってから作り始めます。
  • 設計書の扱い:絶対的な正義。これがないと動き出しません。
  • メリット:進捗管理がしやすく、品質が安定する。
  • デメリット:途中の仕様変更にめっぽう弱い。

2. アジャイル開発(Agile)

現在、多くのWeb開発で採用されている主流の手法です。「計画 → 設計 → 実装 → テスト」という小さなサイクルを何度も繰り返して、徐々に完成度を高めていきます。

agile_iteration_cycle

  • 特徴:最初から完璧を目指さず、変化に対応することを重視します。
  • 設計書の扱い:必要最低限。動くモノ(ソフトウェア)を重視しますが、地図(バックログ)は必須です。
  • メリット:仕様変更に強く、ユーザーの反応を見ながら修正できる。
  • デメリット:全体のスケジュールが見えにくく、方向性を見失いやすい。

3. スクラム開発(Scrum)

アジャイル開発の一種ですが、より「チームのコミュニケーション」に重きを置いた手法です。

scrum_team_sprint_flow

  • 特徴:「スプリント」と呼ばれる短い期間(1週間〜1ヶ月)で目標を決め、チーム一丸となって進めます。
  • 設計書の扱い:タスク管理(カンバン)やユーザーストーリーとして共有されます。
  • メリット:問題の早期発見ができ、チームの学習速度が上がる。
  • デメリット:高いコミュニケーション能力と、熟練したリーダー(スクラムマスター)が必要。

4. プロトタイプモデル(Prototyping)

本格的に作る前に、試作品(プロトタイプ)を作ってユーザーに確認してもらう手法です。

prototype_feedback_loop

  • 特徴:「こんな感じ?」と目に見える形で作ってから、本番の開発に入ります。
  • 設計書の扱い:試作品そのものが設計図の代わりになることもありますが、最終化には仕様書が必要です。
  • メリット:認識のズレが起きにくく、手戻りが少ない。
  • デメリット:試作品作りにお金と時間がかかる。

5. スパイラルモデル(Spiral)

ウォーターフォールとプロトタイプのいいとこ取りをした手法です。重要な機能ごとに「設計→実装→評価」を繰り返しながら、螺旋階段を登るようにシステムを大きくしていきます。

spiral_risk_driven_cycle

  • 特徴:リスクの高い部分から順に潰していくやり方です。
  • 設計書の扱い:サイクルごとに設計を見直し、修正していきます。
  • メリット:大規模で複雑なシステムでも、リスクを抑えながら進められる。
  • デメリット:管理が複雑になりがち。

なぜ、AI開発でも「設計図」が最強なのか

ここまで5つの手法を見てきましたが、共通していることが一つあります。

それは、「何を作るか(設計)」が決まっていないと、開発は進まないということです。

AIを使った開発(バイブコーディング含む)は、一見すると魔法のように見えます。しかし、AIはあくまで「超優秀な作業員」です。

「いい感じの家を建てておいて」と指示して、あなたの理想通りの家が建つでしょうか? 建ちませんよね。

ai_needs_design_blueprint

  • 「リビングは20畳欲しい」
  • 「キッチンは対面式で」
  • 「コンセントの位置はここ」

こういった具体的な指示、つまり「未来地図=設計書」があって初めて、AIはその爆発的な処理能力を発揮できるのです。

比較表:各手法と設計の重要度

design_importance_bar_chart

手法名 スピード感 柔軟性 設計書の重み
ウォーターフォール 遅め 低い 極めて高い
アジャイル・スクラム 速い 高い 高い(変化する)
プロトタイプ 高い(視覚的)
AI開発(理想) 爆速 極めて高い 不可欠(言語化)

まとめ:王道を知ってからAIを使おう

summary_roadmap_to_safe_ai_dev

どの開発手法においても、「設計書」が重視され、それをベースに開発が進むことがお分かりいただけたかと思います。

結局のところ、未来地図をしっかりと作った上で、その方向に進みながら舵取りをしていく。

これは開発の王道であり、究極の考え方です。

流行りのバイブコーディングも、実はこの「王道」から外れるものではありません。「ノリ」で書いているように見えて、成功している人は脳内に強固な設計図(地図)を持っているのです。

Excel職人の皆さん。あなたには業務ロジックという最強の武器があります。

あとは、それをAIに伝えるための「地図の書き方」を覚えるだけです。焦らず、足元を固めていきましょう。

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