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吸光度から濃度を自動計算!FORECAST.LINEAR関数で作る「死なない」検量線エクセルテンプレートとAI活用術

①事務攻略の書

「この古いWindows XP、いつまで保つだろうか……」

小規模な製造現場やラボで、骨董品みたいなPCを使い続けている理由はただ一つ。

そのPCの中でしか動かない“解析ソフト”があるから、ですよね。

old_pc_factory

先に結論です。「検量線(直線範囲)の補間計算」が目的なら、Excel標準のFORECAST.LINEAR関数だけで回せるケースが多いです。

ただし、Excelで計算できる=何でも正しい、ではありません。現場で事故が起きるのは、たいてい「範囲外(外挿)」「単位の混在」「参照ズレ」「根拠不明化」のどれかです。

  • できる:標準液データ(検量線)から、未知試料の濃度を補間で自動算出
  • 注意:外挿(範囲外予測)、非線形領域、ブランク補正、単位ミス、標準液追加による参照ズレ
  • この記事のゴール:「今すぐ動く」だけでなく、10年後も説明できる“死なない設計”でテンプレ化する

私が以前見た町工場では、担当者が自作したExcelが数年後に「計算根拠が誰も説明できないブラックボックス」になり、現場が混乱する“デジタル・スラム”状態に陥っていました。

この記事は、同じ事故を繰り返さないための設計図です。

FORECAST.LINEAR関数とは?(図解:1分で理解)

forecast_linear_zukai

FORECAST.LINEARは、「既知の点(検量線)から直線を引き、その直線上の未知の値を推定する」関数です。

化学分析の文脈では、標準液データ(吸光度と濃度)から作成した検量線をもとに、未知試料の吸光度→濃度を算出します。

ここで混乱しやすいのがXとYの向きです。この記事では下記で統一します。

  • X:吸光度(説明変数)
  • Y:濃度(目的変数)

Excelは内部で一次式(回帰直線)を使います。式の形は Y = a + bX

難しい数式の説明は最小限にして、現場で事故らない使い方に集中します。

なぜTREND関数ではなくFORECAST.LINEARなのか?

理由はシンプルです。引数(指定項目)が少なく、ミスが起きにくいから。

  • FORECAST.LINEAR:1つのXに対して1つのYを返す(設計が単純)
  • TREND:配列で一括計算できる反面、参照ズレ・配列ミスの温床になりやすい

現場の属人化を止めるコツは、「複雑なことをしない」です。

実践:5分で作る「濃度計算シート」作成ステップ

excel_template_layout

ここからは、現場で“そのまま運用できる”最小構成のテンプレを作ります。

ポイントは、コピペで動けばOKではなく、事故が起きない配置と制約を最初から入れることです。

Step1:検量線データの配置(マスターは左、計算は右)

左側に検量線(標準液)を置き、右側に未知試料の入力エリアを置きます。例:

  • A列:既知の吸光度(X)
  • B列:既知の濃度(Y)
  • D列:未知試料の吸光度
  • E列:算出した濃度

単位(mg/L、ppmなど)は列見出しに必ず明記してください。単位が曖昧なテンプレは、時間差で必ず壊れます。

Step2:数式の入力(FORECAST.LINEAR)

未知試料の吸光度をセルD2に入力する想定で、濃度(E2)に次の式を入れます。

=FORECAST.LINEAR(D2, $B$2:$B$6, $A$2:$A$6)

ポイント:$B$2のように「$」を付けて絶対参照にします。

これを忘れて式をコピーすると、参照がズレたまま“それっぽい数値”が出て事故ります。

Step3:入力ミスを防ぐ「データの入力規則」

ここが“死なない設計”の要です。D2セルに対して、現実的にあり得る吸光度範囲(例:0〜3.0)以外は入力できないよう制限します。

不親切な設計が、現場のミスを未然に防ぎます。

さらに一歩踏み込むなら、次も入れると事故が激減します。

  • 空白なら計算しない(IFでガード)
  • 文字が入ったら警告(ISNUMBERでガード)
  • 単位をセル上に固定表示(入力者の“思い込み”を防ぐ)

【重要】経営リスクを回避する「死なない設計」3つの鉄則

shinanai_design_rules

計算ができるだけでは「システム」とは呼べません。管理者が担保すべきは「データの正当性」です。

鉄則1:外挿(範囲外データ)は“警告して止める”

FORECAST.LINEARは、検量線の範囲を超えた数値でも計算結果を返します(外挿)。

しかし分析現場では、範囲外は信頼できないケースが多いです。

対策:条件付き書式で、検量線の最大/最小を超えたらセルを警告表示にします。

(例:D2がA2:A6の最小未満または最大超なら「範囲外」表示)

鉄則2:AIは“監査補助”として使う(式と前提を照合)

AIは便利ですが、結論だけを鵜呑みにすると危険です。

使い方は「答えを出させる」ではなく、「前提・式・外挿判定を点検させる」です。

こうした「ツールに何をさせ,人間が何を担保するか」という役割分担こそが、AI時代の機能設計の核心です。

【AI開発初歩の初歩】コードの前に道を作れ!経営者が握るべき「死なない」機能設計の極意
AI開発で失敗したくない経営者必見。ChatGPTに指示を出しても動かない、外注費もない…その原因は『機能設計』の欠落です。実はプログラミング知識は一切不要。あなたの日本語だけで、デジタル・スラム化を防ぎ10年使える『死なないシステム』の地図を描く極意を解説します。

鉄則3:数式の保護+変更ログ(壊れる原因の9割を潰す)

現場で壊れる原因の定番は「良かれと思って数式を触る」です。

入力セル以外は保護し、テンプレに更新日・版数・変更者の欄を用意してください。

“誰がいつ何を変えたか”が追えるだけで、復旧コストが激減します。

一次情報:FORECAST.LINEARを手計算で検算(サンプルデータ付き)

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ここはこの記事の検証パートです。例として、次の検量線データ(直線範囲想定)を使います。

検量線(例)

  • 吸光度(X):0.10 / 0.20 / 0.30 / 0.40 / 0.50
  • 濃度(Y):1.02 / 1.98 / 3.05 / 3.99 / 5.01

未知試料:吸光度 X = 0.45 のときの濃度を求める

Excelでの計算は次のいずれでも一致します(※この例では一致するように作っています)。

  • 方法A:=FORECAST.LINEAR(0.45, Y範囲, X範囲)
  • 方法B(検算):=SLOPE(Y範囲, X範囲)=INTERCEPT(Y範囲, X範囲) で式 Y=a+bX を作る

この例の回帰式は Y = 0.013 + 9.99X となり、X=0.45 のとき

  • Y = 0.013 + 9.99×0.45 = 4.5085

この「FORECAST.LINEARの結果を、SLOPE/INTERCEPTでもう一度出して一致確認」が、テンプレの信頼性を一段上げます。

(監査で突っ込まれた時も、説明ができます)

AI(Gemini/ChatGPT)を活用した運用・検算術

ai_audit_check

これからの時代、ExcelはAIとセットで運用すると強いです。

ただしAIは万能ではありません。役割は「監査補助」です。

企業で安全にAIを活用するためには、まず情報漏洩を防ぐ初期設定を徹底することが大前提です。

Gemini初期設定で会社を守る|情報漏洩を防ぐアクティビティ管理と3つの鉄則
Geminiで社外秘が漏れるのが不安な経営者必見。初期設定のまま使うのは危険です。情報漏洩を防ぐ「アクティビティ管理」と「公開リンク無効化」の具体的な手順と、会社を守る3つの鉄則を解説。たった1分の設定でリスクを回避し、AIを安全な最強の部下にする方法が分かります。

安全を確保した上で、AIに“答え”ではなく“点検項目”を出させること。例えば次のように依頼します。

次のCSVは検量線データです。

①吸光度0.45の濃度を「直線回帰(Y=a+bX)」で算出し、aとb(切片と傾き)も出してください。

②この0.45は検量線の範囲内か/外かを判定してください(外挿なら警告)。

③単位が混在していないか、入力ミスっぽい点(外れ値候補)があれば“理由付きで”指摘してください。

④最後に、Excelでの検算式(FORECAST.LINEAR / SLOPE / INTERCEPT)を提示してください。

AIの回答は“必ず”Excelの式と照合してください。ここを省くと、AIの誤りに気づけません。

この二重ガードがあるからこそ、システム未経験でも「説明がつく設計」になります。

まとめ:小さなラボが「自前でシステムを持つ」強み

small_lab_meeting

専用ソフトからの脱却は、単なるコスト削減ではありません。

「自社の計算ロジックを自分たちで把握し、説明できる」という重要な経営判断です。

FORECAST.LINEARで計算テンプレを作り、SLOPE/INTERCEPTで検算し、AIで監査補助を入れる。

このサイクルが回れば、外部ベンダーの高額保守や“特定PC依存”のリスクに怯えにくくなります。

もし「もっと複雑な業務も自動化したいが、壊れるのが怖い」と感じているなら、

私が作成した「死なないシステム設計テンプレート(化学・製造業版)」をチェックしてください。

数式・AIプロンプト・運用ルールをパッケージ化した、現場のための設計図です。

免責:本記事は一般的な情報提供を目的としています。分析結果の採用可否や妥当性確認(検量線の直線範囲、装置条件、規格要件など)は、必ず責任者の判断と手順に従ってください。

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